GREI(Gamma-ray Emission Imaging)

装置保有施設:筑波大学アイソトープ環境動態研究センター(理化学研究所本村グループとの共同開発)

GREI(Gamma-ray Emission Imaging)はPETIS、あるいはRRISと同様に対象物の中の放射性核種の局在を非侵襲かつリアルタイムに可視化するものです。ガンマ線放出核種から出てくるガンマ線をエネルギー分解能の高いゲルマニウム半導体検出器を用いて検出することが特徴となっており、複数の核種を判別しながら同時計測することが可能です。図に示すように、2台の両面直交ストリップ電極式の高純度ゲルマニウム半導体検出器が一定距離離して設置されており、入射ガンマ線と物質との相互作用であるコンプトン散乱について、相互作用位置とその際のエネルギーを2台の検出器で高精度に測定することで可視化しています。当センターではGREI装置を人工気象器内に設置しており、光、温度、湿度を制御しながら連続的な撮像を可能としています。

水耕液に投与した59Feと137Csを根から吸収させた後の植物体内分布をGREIを用いて可視化した結果を示しました。59Feに比べて137Csは移動が速く、これらの金属元素の挙動が植物体内で異なっていることが示されています。本装置はガンマ線を放出するほぼすべての核種の検出が可能であることから、幅広い実験に対応できるものと期待しています。