自己組織化マップを用いた低線量放射線による疾患抑制効果と抗酸化機能亢進に関する特徴抽出

RADIOISOTOPES 67 巻 (2018) 2 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

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著者:神﨑 訓枝, 片岡 隆浩, 小橋 佑介, 柚木 勇人, 石田 毅, 迫田 晃弘, 石森 有, 山岡 聖典

抄録:我々はこれまで,低線量放射線はマウス諸臓器中で抗酸化機能を亢進し,酸化ストレス関連疾患を抑制することを報告してきた。しかしながら,それらの結果は対象疾患も低線量放射線による処置の条件も様々で,有効性が立証された治療法は確立されていない。そこで,本研究では,それらの結果から低線量放射線の健康効果を明らかにすることを目的とし,ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の新規適応症を探索した。データの解析には自己組織化マップ(SOM)を用い,不安定な抗酸化機能の変化を自己組織化マップの曖昧な表現で視覚的に直感的に捉えることにより,出力された疾患抑制効果と抗酸化機能亢進の関連性を検討した。その結果,ラドン療法の適応症である疼痛への効果には明らかな線量依存性があることがわかり,肝疾患や脳疾患においても,線量依存性はないもののその効果を期待できると予測できた。本研究は,ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の応用に貢献できると考える。