植物の維管束を介した硫酸イオン輸送―SULTR2;1の働きを中心に―

RADIOISOTOPES 64 巻 (2015) 9 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

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著者:丸山 明子

概要(はじめに):植物は必須栄養素を主として無機イオンの形で根から吸収する。一方で,主な同化の場は地上部であり,また同化産物は若い芽や根(シンク)の成長に必要とされる。そのため,維管束系を介した無機イオンの輸送が同化効率や植物の成長に果たす役割は大きい。高等植物の維管束系を介した輸送は,導管を通じた根から地上部への輸送(木部輸送)と,師管を通じたソースからシンクヘの輸送(師部輸送),の大きく二つに分けられる。
硫黄は植物の必須栄養素の一つであり,主に硫酸イオン(SO42-)として,根から吸収される。硫酸イオンの同化経路や硫酸イオントランスポーター(Sulfate Transporter, SULTR)の分類については,先稿を参照されたい。ここでは,維管束系を介した硫酸イオン輸送について,シロイヌナズナの硫酸イオントランスポーターSULTR 2;1の働きを中心に紹介したい。