放射標識体を用いるマイクロドーズ臨床試験のためのin vivo動物実験,in vitroヒト肝消失及び簡易生理学的薬物動態モデルより外挿するトルブタミドとアセトアミノフェンのヒト血漿中濃度

RADIOISOTOPES 64 巻 (2015) 8 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

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著者:山崎 浩史, 國兼 絵里子, 西山 咲弥子, 村山 典恵, 清水 万紀子, 杉山 雄一, 千葉 康司, 池田 敏彦

抄録:本研究の目的は,トルブタミドとアセトアミノフェンをモデル化合物として,ラットでの体内動態データからヒトで経口投与した場合の薬物動態を予測することである。ラットでの両化合物の血中濃度報告値を基にアロメティックスケーリング係数を用いてヒト体内動態を予測した。この外挿においては,肝試料を用いたin vitro代謝消失速度データを活用した。ラット及びヒト肝ミクロゾームが触媒するトルブタミドの代謝消失速度は,両者でほぼ同様であったが,アセトアミノフェンの肝ミクロゾームに肝可溶性画分を加えた消失速度は,ラットがヒトの場合よりも高値を示した。簡易生理学的薬物動態(PBPK)モデルを使って推定した両化合物のヒトにおける体内動態は,血中濃度報告値とほぼ一致した。トルブタミドはラットとヒトで概ね同速度で体内から除去されたが,薬用量レベルのアセトアミノフェンのヒト体内消失速度(肝代謝依存性)は,ラットの場合よりも緩徐であった。このような動物での血中濃度推移と簡易PBPKモデルの組み合わせは,新薬候補の薬理学/毒性学的作用及びヒトでの放射線被ばく予測に有用であることが示唆された。