安定ヨウ素剤投与時期の131I甲状腺摂取率抑制効果の評価~体内動態モデルによる日本人を対象とした計算~

RADIOISOTOPES 63 巻 (2014) 10 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

なお、掲載記事一覧はこちらからご覧になることができます。

全文をダウンロードする[PDF]

著者:谷 幸太郎, 栗原 治, 小佐古 敏荘

抄録:体内に摂取した放射性ヨウ素の甲状腺への摂取率は,安定ヨウ素剤の投与によって抑制することができる。本論文では,放射性ヨウ素摂取時及び安定ヨウ素剤投与時の体内動態モデルを使用し,日本人を対象とした131Iの急性吸入摂取に対する甲状腺残留率を解析した。安定ヨウ素剤投与時の解析にあたっては,安定ヨウ素を過剰に摂取した場合に一時的に甲状腺ホルモンの合成が阻害されるWolff-Chaikoff効果の影響を新たに考慮した。解析した安定ヨウ素剤投与の有無に対する甲状腺残留率を比較することにより,131I甲状腺摂取率抑制効果を評価した。その結果,抑制効果は2日前の投与で50%,1日前から直前までの投与で80%以上であった。一方,131Iを摂取した後に遅れて安定ヨウ素剤を投与した場合には,抑制効果は急激に減少し,12時間後で20%,1日後で7%未満であった