15N,13C二重標識アミノ酸を用いたイネ幼植物のアミノ酸別の吸収,蓄積の検討

RADIOISOTOPES 62 巻 (2013) 5 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

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著者:二瓶 直登, 田野井 慶太朗, 中西 友子

抄録:アミノ酸を窒素源として供試した植物生育への影響を解明するために,2種類のアミノ酸(グルタミンとバリン)をイネ幼植物へそれぞれ単独で供試した。15N,13C-二重標識アミノ酸を用いた結果,溶液の15N減少量とイネ幼植物の15N蓄積量はほぼ同等であったが,溶液の13C減少量はイネ幼植物の13C蓄積量より多かった。これは,吸収したアミノ酸が植物体内で代謝され,窒素は同化して植物体内に蓄積するが,炭素の一部は呼吸経路を経て二酸化炭素として植物外へ放出されたためと推察される。さらに,溶液の13C減少量とイネ幼植物の13C蓄積量の差がバリンよりグルタミンで大きかったのは,アミノ酸別の代謝の進み具合が,グルタミンの方が円滑であるためと推測され,このことが生育にも影響していると考えられた。