根先端部における鉄動態のリアルタイム・イメージングシステムを用いた解析

RADIOISOTOPES 61 巻 (2012) 3 号より、ライフサイエンス分野、医学分野等に関連する記事をご紹介いたします。

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著者:小林 奈通子, 田野井 慶太朗, 菅野 里美, 中西 友子

抄録:リアルタイムRIイメージングシステムを搭載したラジオアイソトープ顕微鏡(VIM-micro)を用いて,植物の根における55Feの動態を解析した。VIM-microの55Feに対する検出感度はイメージングプレートよりも顕著に高く,2分間の積算により,根における55Feの分布を可視化できた。10kBq/μLの55Feをシロイヌナズナとイネの根の下部側に処理し,その後2時間にわたって60枚の根の画像を取得することで55Feの動態を解析した。いずれの植物においても,55Feは根の先端部に優先的に分配された。阻害剤の処理,あるいは煮沸によって不活性化した根を,通常の根と比較解析したところ,30分以降に見られる55Feの根先端部への蓄積が,生物活性によるものであることが判明した。これらの結果により,Feは,重要なシンク器官である根端部に積極的に輸送されることが示された。