放射性試薬の安全取扱いガイド2版 4

4)放射性試薬の受け取り、保管

 

目次

放射性試薬の受け取り~保管の流れ
納品、受け取り
製品の確認
汚染の確認と段ボールの廃棄
放射性試薬の保管、記録

放射性試薬の保管のポイント
概要
温度
再開封や凍結融解の回避
光から保護
空気から保護
その他

 

放射性試薬の受け取り~保管の流れ

_

① 納品、受け取り

・放射性試薬は多くの場合、業者などからRI管理室など1か所に納品され、放射線安全管理担当者が受け取ります。受け取りの方法など、放射線安全管理担当者に確認をしておいてください。
・納品されてから長時間、受け取りや確認できないことがないようにスケジュール管理をします。
・納品場所と日付を放射線安全管理担当者に確認し受け取ります。
・長期の保管を避けるよう購入の予定を立て、納品後できるだけ早く製品を使用してください。

_

② 製品の確認

・指定された場所(フード内等)で、手袋を着用した後にセキュリティボトル(外容器)を取り出し、液が漏れていないかを目視で確認します。
・ピンセット等を用いて遮へい容器から放射性試薬の入ったバイアルを取り出し内容物を検査し、バイアルラベルと出荷伝票に記載されている化合物があっているか確認します。
・多くの製品はセキュリティボトル(外容器)の中にバイアル(内容器)が入っています。

_

③ 汚染の確認と段ボールの廃棄

・取り出した遮へい容器以外に汚染がないこと(バックグラウンドレベルであること)を、サーベイメータで確認します。
汚染の確認には、その放射性試薬の核種に適したサーベイメータを用いて測定します。
・早く動かしすぎると汚染を見逃す恐れがあるため、注意してください。
段ボールは輸送関連のシール類を剥がしてから捨てます。

_

④ 放射性試薬の保管、記録

・施設の手順にしたがって保管し、記録をつけます。
・基本的には使用中、また使用後の記録と管理も実験者が責任を持って行います。
・容器には核種名・放射能量(Bq)・年月日・氏名等を記入します。
・使用するまで適切な管理温度(常温、冷蔵、冷凍)で貯蔵施設(貯蔵室、貯蔵箱など)に保管します。

 

放射性試薬の保管のポイント

 

① 概要

・放射性試薬は多くの場合、時間とともに分解するため、慎重な取扱いと適切な保管が必要です。
・放射性試薬を使用または保管する前に、データシートを確認してください(パーキンエルマー社の例はこちら)。
・データシートにはラベル位置、放射化学的純度、合成方法および最適な保管・取扱い方法などの情報が記載されています。
・放射性試薬をどれだけの期間使用できるかは、放射能標識化合物の分解様式および安定性を保つ方法に大きく依存します。
・分解を最小限に抑え、有効期間内で安定して使用できるようにするための推奨事項を①以降に示します。

_

② 温度

・施設に放射性試薬が到着したら、データシートに示されている温度で保存することが重要です。
・一般的に、化学反応は温度の低下によって減速するので、化合物は低温に保ちましょう。
・ただし、推奨されない場合には凍結することは避けましょう。

_

③ 再開封や凍結融解の回避

バイアルを何度も開閉することや、凍結融解の繰り返しは避けましょう。
・放射性試薬を長期間にわたって使用する場合は、製品を複数のバイアルに分注し、必要になるまで冷蔵庫や冷凍庫で保管することをお勧めします。

_

④ 光から保護

・実用上可能な限り放射性試薬を暗所に保管することをお勧めします。
・特に感光性の放射性試薬は、内容物を光から保護する専用のバイアルで納品されます。

_

⑤ 空気から保護

・酸素や湿気に敏感な特定の放射性試薬は、窒素やアルゴンなどの不活性ガスが封入された状態で納品されます。
酸素や湿気は試薬の加水分解を早めるため、これらを除くことで品質が長く維持できます。
・長期間使用しない場合は、安定性を維持するために、ふたを閉じる前に不活性ガスを吹き付けることも有効です。

_

⑥ その他

比放射能が高いものほど早く分解するため、なるべく低い比放射能で保管します。
・適切な間隔で標識化合物の純度を確認します。
・ヨウ素等でRI標識した後の溶液の管理方法については管理者に確認してください。

*分解してしまった場合
・保管中に分解すると純度が低下するので、必要な場合は標識化合物を再精製することが可能です。
・再精製を希望される場合は、日本アイソトープ協会にお問合せ下さい。

PAGE TOP