下限数量以下の放射性試薬とは
放射性同位元素(RI)は微量での検知も可能であることから、これまで幅広い研究領域で利用されております。RIから放出される放射線は人体に影響を及ぼすことがあるため、許可施設では全てのRIについて管理区域内での使用が求められてきました。一方で、平成17年6月に「放射性同位元素等の規制に関する法律(以下、RI規制法とする。)」で核種毎に下限数量が設定され、下限数量以下であれば、管理区域外での使用が認められています。
下限数量以下の放射性試薬の用途の例
・管理区域内で行いにくい大人数での学生実習
・管理区域に入れにくい大型機器による測定
・管理区域が狭い場合の一般実験室でのRI実験 etc. …
「下限数量」とは
国際原子力機関(IAEA)などの国際機関が共同で策定した「国際基本安全基準」で提唱されている免除レベルという考え方が導入されたものです。平成17年6月にRI規制法の一部が改正され、同施行令第1条に以下のとおり記載されています。
(放射性同位元素)
第1条 放射性同位元素等の規制に関する法律第二条第二項の放射性同位元素は、放射線を放出する同位元素及びその化合物並びにこれらの含有物で、放射線を放出する同位元素の数量及び濃度がその種類ごとに原子力規制委員会が定める数量(以下「下限数量」という。)及び濃度を超えるものとする。
下限数量値の一例
「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」(平成12年10月23日科学技術庁告示第5号)より、別表第1(抜粋)
・核種が2種類以上の場合は、核種ごとの規制対象下限値に対する比の和が1を超える場合に下限数量を超えるものとし、規制対象となります。
・数量と濃度の双方が規制対象下限値を超える場合に、規制対象となります。
*但し、当協会では製品の多くが溶液であり、濃度が変化しやすいことより、ご注文に際して、同日にお届けする核種に対する数量にて、下限値以下であるかを判断させていただいております。
下限数量以下の製品をご購入にあたっての注意事項
事業所ごとに運用が異なりますので、自施設の放射線取扱主任者に確認ください。
製品の検索
こちらからご希望の製品を検索した後、規制対象下限値を超えていないことをご確認ください。
参考)下限数量以下の放射性試薬に関するマニュアル *下限限数量以下の非密封RIの使用に関する安全取扱マニュアル
本マニュアルは、前身のライフサイエンス部会及び現在の理工・ライフサイエンス部会 下限数量以下の非密封RIの安全取扱に関する専門委員会において作成したものです。RI規制法上の管理区域を有する事業所及び管理区域を持たない事業所の各々を対象に、下限数量以下の非密封RIを利用する際の安全な取り扱いについて取りまとめました。
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問い合わせ先
公益社団法人日本アイソトープ協会
医薬品・試薬課
TEL:03-5395-8033
FAX:03-5395-8055 (0120-012895 注文専用)
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